2021年アゼルハイジャンGPはピレリタイヤの問題に振り回される波乱のレースとなりました。
金曜日のフリー走行後に「ペレスの初表彰台が見られる可能性が高い」と予想しましたが、それを上回る優勝という結果に。
ベッテルはモナコに続いて神がかった走りを披露。予選11番手だったものの、第1スティントを引っ張って中段勢をごぼう抜きにして、ガスリーも抜いて最終的に2位表彰台。
当然のようにドライバーオブザデイ獲得。
アストンマーチンのレースペースが今回かなり良かったように思えます。
From heartbreak to joy, our #AzerbaijanGP was a race of two halves. 💚
— Aston Martin Cognizant F1 Team (@AstonMartinF1) 2021年6月6日
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3位ガスリーは予選の4位から1個上げただけですが、アルファタウリからすれば予想外の大量ポイント獲得。アルファタウリも初表彰台。
そしてなんといってもタイヤが壊れてリタイアしたフェルスタッペン。
C3タイヤは40周は持つだろうとピレリ側は提示していたようですが、ストロールのタイヤが30周を超えたあたりで壊れ、そしてレース終盤にフェルスタッペンのタイヤも壊れました。
壊れる前はかなり速いペースで走っていましたが、速く走れるから逆に負荷もかかって他の車より早く壊れた可能性が高いです。
Heartbreak for Max 💔#AzerbaijanGP 🇦🇿 #F1 pic.twitter.com/sPEqCFdlwP
— Formula 1 (@F1) 2021年6月6日
今年は昨年と異なるタイヤで、しかも昨年よりダウンフォースレベルが減ってタイムが落ちているにも関わらず同じようにタイヤのトラブルが出てしまうのは問題ですね。
フリー走行の際にリアタイヤの内圧が引き上げられたようで、ピレリとしても良くない兆候はあったのかもしれませんが、ここで壊れていたらシルバーストーンやスパ・フランコルシャンが懸念されます。
フェルスタッペンのリタイア後に赤旗で中断となり、再スタートとなりましたが、2番手にいたハミルトンがブレーキロックしてエスケープに。これでハミルトンはレースを失うことに。
ハミルトンは「ブレーキマジック」という、SC中等ゆっくり走っている時にブレーキを温めるためのスイッチをオンにしてしまったため、ブレーキのバランスが前寄りすぎてロックしたようです。
ハミルトンは一度スイッチを切ったそうですが、スタート後ペレスを避けるためにステアリングを切ったタイミングでブレーキマジックのスイッチに触ってしまっていたとのこと。
チャンピオンシップ争いをする2人が共に撃墜されるのはアゼルハイジャンの「魔物」としか言いようがない。
From to 🤩 to 😱 in seconds. It’s been an emotional rollercoaster this weekend, Team. pic.twitter.com/NQAAb8rkjJ
— Mercedes-AMG PETRONAS F1 Team (@MercedesAMGF1) 2021年6月6日
結局フェルスタッペンもハミルトンもノーポイントでチャンピオンシップは動かず。フェルスタッペンとしても不幸中の幸いですし、本来なら10ポイントさらに差をつけられていたかもしれないハミルトンとしても不幸中の幸いとなりました。
優勝したペレスですが、油圧系の問題が出ていてリタイア寸前だったようです。レース後すぐに車を止めたのはそのため。
予選後に「ペレスのレースペースは全車中一番良いので上がってくるのは間違いない」と分析しましたが、案の定すぐに上位まで上がってきてました。
予選で良かったフェラーリでしたが、モナコと違って長い直線がある分、パワーユニットのエネルギー回生で不利。タイヤの摩耗的にも厳しそうでしたし、ロングランの実力だとメルセデスとレッドブルからだいぶ離れた所、中段の上の方と言わざるをえません。
角田は今回自身最高位の7位。
しかし、フェルスタッペンとハミルトンがいなくなった状態ですから、6番手スタートということを考えれば、本来は最低でも5位か6位にはいなければならない。サインツがエスケープに突っ込んだことを考えれば余計に。
レース後のインタビューを見ても全く喜んでおらず、リスタート後にアロンソとノリスに抜かれて怒っていたと語ってますね。レース後の無線でも「何もできなかった!」とブチ切れてます。
さらに相変わらずの無線。「黙れ!!」とエンジニアに対して激昂していたのが国際映像に載ってしまってました。
角田の順位、完璧に的中ですね。ノリスにやられたことも含めて。リカルドはどこにいたかわからないレベルでしたが。
角田も上手くやれば7位8位あたりは行けそうですが、ノリスやリカルドが立ちはだかるでしょう。
2人消えてもこの順位になるって・・・。
ウィリアムズでストロールが表彰台に乗ったり、リカルドが優勝したり、波乱が起こるアゼルハイジャン。ペレスは本当にこのサーキットと相性が良い。
いよいよ次戦フランスGPでフレキシブルウィングの規制が強化されます。
そして1ヶ月半ぶりにパーマネントサーキットに戻ってきます。
本来はカナダGPがありましたが中止になったため、次の8戦くらいがヨーロッパのサーキットです。
フランスから2021年シーズン第2ラウンドがスタートです。