2020オーストリアGP決勝。
フェルスタッペンはホンダパワーユニットのトラブルでリタイアしました。
1コーナーに差し掛かった時にアンチストールが入り、そのまま失速。
ピットまで戻って来られましたが復旧不可能とわかりリタイアしました。
縁石の振動でセンサー系に問題か
アンチストールに入るというのはおそらくセンサー系に起因する問題かと思われます。
メルセデスもレース中にセンサー系を切るような指示を出しており、本来のペースでは走れなかったようです。ストロールのリタイアもセンサーの問題だと判明しています。
さらに、メルセデスはボッタスとハミルトンに縁石を使うなと指示を出していました。
レッドブルリンクの縁石。
特にセクター3の縁石はマシンにダメージを蓄積していくかと思います。
フェルスタッペンはセクター3を抜けた直後のターン1で失速したことからも、セクター3の縁石がセンサー系に影響したと推測できそうです。
PUの何かが壊れたのなら、すぐに車を止めさせるでしょうし、ピットまで戻って来られません。
といいつつ、センサーはパワーユニット関連ですから、パワーユニットの問題だったのは言うまでもありません。
去年は大丈夫だったのになぜ今回駄目だったのか?
と思う人もいるでしょう。
しかし、昨年から縁石が少し変わっています。
昨年は、乗り上げたらマシンが壊れるような黄色いカーブが一番外側に設置されていました。
しかし、今年は連戦に次ぐ連戦のためマシンが壊れまくると危機的状況になるとしてこの黄色いカーブが外されています。
上記画像はセクター3のコーナーの縁石ですが、ポールポジションのボッタスはアタックラップでこの縁石を目一杯使っています。
緑と白の縁石はかなりガタガタするような段差になっているのですが、ここまで使った方が速いというわけです。
紅白の縁石程度の振動なら想定されているでしょう。しかし、この緑と白の縁石を使って何周も走った時に起こる問題をホンダは想定しきれていなかったのでは。
昨年はこの外側に黄色いカーブがあったので、ここまで大胆に縁石を使って走るのは難しかったでしょう。
2019年のルクレールのオンボード映像ですが、昨年は黄色いカーブが外側に配置されているのがわかります。
ルクレールの縁石の乗り方も今年のボッタスと比べると控えめです。
今年はあれがないことでドライバーはかなり積極的に縁石を使っていました。
その結果、昨年よりも激しい振動が起こり、この対策が出来ていなかったため、センサーが異常と判断してフェルスタッペンのトラブルに繋がったと推測できます。
2019年は最終コーナーにもこの黄色いカーブが設置されていました。しかし、今年は最終コーナーからも撤去されており、より積極的に縁石を使うことが可能になっていました。
メルセデスのトト・ウルフは、「激しい振動でダメージを受けてセンサーに問題があった」「ある段階では、2台ともゴールできないかもしれない状況だった」とレース後に語っています。
だからメルセデス陣営は2人に縁石を避けよと指示を出し、最悪の結果を免れることができたわけです。
フェルスタッペンのトラブル、リタイアは今シーズンのチャンピオンシップ獲得を絶望的なものにしたと言わざるをえません。
アルボンのトラブルは別なものらしく、今シーズンのホンダPUの信頼性に疑問が残るレースとなりました。
来週も同じ場所でレースですから、そこで同じような問題が出てしまうのかというのは注目できそうです。