2021年のモナコGPはこのルクレールのインスタグラムの写真が全てを物語っています。
レース前のレコノサンスラップでドライブシャフトに問題が発覚。ルクレールはギアボックスだ!と無線で言ってましたがドライブシャフトだったようです。
ルクレールはガレージに入れた後、車が直らない事がわかり、決勝レースに参加できずにモナコGPが終わりました。
ポールシッターのルクレールがいない、この時点で2番手だったフェルスタッペンの優勝が決まったも同然となりました。1コーナーをトップで抜けた時点で、と言ったほうが的確かもしれません。
木曜時点でレースペースはレッドブルの方がフェラーリやメルセデスより1周0.1秒以上速いとみられていたので、もしルクレールが出走できていればもう少しスリリングなレースになったかもしれません。
今回はセーフティカーが全く出ないという珍しいモナコGPになりました。
F2ではそれなりに荒れてVSCが出まくってましたが、F1は無風と言っても良いようなレースで後半は眠くなった人も多いでしょう。オーバーテイクは全くありませんでした。
ハミルトンが順位を落とした理由
ルクレールがいないことで6番手スタートとなったハミルトンでしたが、ピットストップ後にベッテルとガスリーとペレスにオーバーカットを許して7位で終わりました。
メルセデスがハミルトンを早めにピットインさせたのはガスリーをアンダーカットするためでしたが、ハミルトンのハードタイヤが温まるまでのアウトラップが非常に遅く、むしろガスリーのインラップの方が速くアンダーカットに失敗。
これでガスリーに前に留まられてしまうわけですが、今度はガスリーのアウトラップが遅いという状況に。しかもモナコなので抜けない。ハミルトンはガスリーの遅いペースに付き合わされ、その間にベッテルがハミルトンとガスリーを上回るラップで周回。
ベッテルはガスリーとハミルトン2人をオーバーカットすることに成功しました。
ハミルトンは、タイヤを温存してたのに誰よりも速くピットさせたのが理解できないと無線で言ってましたので、ガスリーがピットインしてくれればもう少し速いペースで走れたでしょう。
ガスリー側からすれば、ハミルトンに対応しなければならなかったためベッテルやペレスにやられたと言うこともできます。ガスリーは予選後にがっかりだと無線で伝えています。
ステイアウトすればよかったのでは?と思えますが、ハミルトンはガスリーのペースに付き合わされているわけですから、ガスリーがなかなかピットインしない場合、最悪のケースとしてペレスにアンダーカットされたり、あるいはピットアウト後にストロールの後ろに出てしまう懸念がありました。
ガスリー、ハミルトン、ベッテルがピットインした事で、ペレスは本来のペースで走る事ができ、1周2秒以上稼いで3台まとめてオーバーカットする事に成功しました。
2位だったボッタスのホイールナットがなめてしまいタイヤ交換できずリタイア。
フロントに熱が入るようにしていたんだと思いますが、ホイールが熱くなりすぎたのでしょう。
メルセデスはどうやらタイヤに熱を入れるためのセッティングによってデグラデーションも大きくなってしまったようです。ボッタスが序盤はフェルスタッペンについていけて、徐々に離されたのはそのため。
トト・ウルフが言うには、オーバーテイク可能なサーキットだったら3位まで上がって来られる速さはハミルトンにあったみたいです。
ノリスがまたしても3位表彰台。マクラーレンは今回表彰台に乗るような速さはなかったですが、予選で5位だったのが大きかった。
ベッテルの5位も驚くべき結果です。
角田は16位。ハードタイヤで引っ張ったのが仇となり、アロンソとラティフィに前に出られてしまったようです。
ウィリアムズの後ろで走ることになった角田はラティフィがピットインする43周目までかなり遅く、セーフティカーも出ないので完走するだけのレースとなりましたが一通り経験は積めたのではないでしょうか。
次戦アゼルバイジャンGPはロングストレートがあるのでフェラーリはモナコほどは速くないでしょう。しかし、バクーもμの低い路面で柔らかいタイヤが使われるのでセクター2は速いかもしれません。
例年メルセデスが速いサーキットですが、タイヤの熱入れに苦労するW12はバクー市街地コースでも似たような状況になりかねません。
また、トト・ウルフはレッドブルのフレキシブルウイングがバクーで0.6秒のタイムを稼げると指摘しており、レッドブルはバクーである程度ダウンフォースをつけてもストレートでもスピードを損なわないという有利な状況を作り出せる可能性が高そうです。
だからこそメルセデスやマクラーレンはFIAがフランスGPまで猶予を設けた事を批判しているわけです。この問題は早く方をつけるべきでしょうね。