F1の8年連続コンストラクターズチャンピオンとなったメルセデスですが、2021年の車(W12)に開発トークンを一切使っていませんでした。
2021年のレギュレーションにより、ノーズやギアボックス、サスペンションなどのエリアは開発が制限されており、変更には与えられた開発トークンの使用が必要となっていました。
シーズン中、メルセデスはトークンの使用エリアを秘密にしたままでしたが、結局どこにも使わなかったことが明かされています。
トークンを使わなかったのは、メルセデス以外にはハースだけです。
不自然なほどに遅かったレギュレーション変更決定と、差し迫っていたホモロゲーションの締め切りを受けてメルセデスは本来トークンを使いたかったギアボックスの開発が間に合わないことがわかり、ギアボックスへの開発トークンの使用を断念しました。
ノーズへの開発トークンの使用も検討されたものの、2021年のレギュレーションで失うダウンフォースがメルセデスやアストンマーチンのようなローレーキのマシンは非常に大きいことがわかり、風洞の使用時間制限との兼ね合いもあって、ノーズにトークンを使うこともやめたようです。
にも関わらず、2021年シーズンで予選の1-2を達成できたのはメルセデスだけでした。(ポルトガル、ハンガリー、イタリア、トルコ、メキシコ、サウジアラビア)
また、今年のマシン開発も夏前に早々に切り上げて、焦点を2022年シーズンのマシン開発へと移行しました。
マックス・フェルスタッペンは「シーズン全体を見た時にRB16BよりW12の方が優れていた」と述べています。
セカンドドライバーで言えば、ボッタスは4度のポールポジション(イタリアでは実質予選1位)に対して、ペレスは一度もポールを取ることはありませんでした。
シーズン開幕前のプレシーズンテストの時にフェルスタッペンが最速タイムを叩き出し、メルセデスはスピンする場面が多く見られました。
しかし、当時の記事では「レッドブルが最も速いとは簡単には言えない」「初戦の最有力はレッドブルだがシーズン通してそうなのかは未知数」だと予想しました。
上記のフェルスタッペンの言葉とコンストラクターズの順位が示しているように、開幕前の予想が的中することになりました。
ドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルはかなり性質が異なり、シーズン後半にフェルスタッペンが非常に幸運だった事は以前に解説しましたが、また別の記事でも紹介しようかと思います。