現行レギュレーションのマシンになった2017年から2019年までのF1の名レースを独断と偏見でまとめました。
映像はYouTubeに公式のものがあるのでそれで見てください。
2017 モナコ・グランプリ
このグランプリはアロンソがインディ500ために欠場し、ジェンソン・バトンが久々に出走しました。アメリカにいるアロンソからの電話が紹介される場面も。
フェラーリはピットストップでベッテルを前に出し、ベッテル優勝、ライコネンは2位となってしまいました。
この時のフェラーリは低速コーナーで速いという、2019年とは真逆のマシンでした。
2017年のメルセデスはリアタイヤのオーバーヒートという問題を抱えていました。
2017 アゼルバイジャングランプリ
近年稀に見る、カオスなレース。
開幕でのボッタスとライコネンが接触を始めとして、あちらこちらで接触が頻発。
セーフティカー中に起きた伝説の事件。
ハミルトンがブレーキをしたためベッテルはハミルトンに軽くぶつかります。
これで頭に血が登ったベッテルは横に並び車をハミルトン車にぶつけてしまいます。
さらにフォース・インディア同士のクラッシュ、ヒュルケンベルグの単独クラッシュなど、混沌とした状況に・・・
そしてハミルトンはヘッドレストが取れかけて緊急ピット。
ベッテルはハミルトンにぶつけたことで10秒ペナルティ。
漁夫の利を得る形でリカルドが優勝。
さらに、運良くクラッシュに巻き込まれなかったランス・ストロールが2位を走行していたものの、最終ラップの最後の最後にボッタスに抜かれてしまいました。
それでもストロールは初表彰台。
色々なことが起こりすぎたレースでした。
2017 シンガポールグランプリ
レースの注目ポイントはスタートだけです。
このグランプリはメルセデスが低調で、予選のトップ4にメルセデスが入れませんでした。
しかし、スタートでベッテル、フェルスタッペン、ライコネンが接触。
これでライコネンもフェルスタッペンもリタイア。
さらにベッテルは車にダメージ。
これで完全な棚からぼたもちでハミルトンが優勝しました。
こういったクラッシュに巻き込まれないハミルトンの冷静な判断が6度のチャンピオン獲得に繋がったのは明らかです。
2017 メキシコグランプリ
スタートでフェラーリ・レッドブル・メルセデスの3ワイドとなった。
トップ2人がピットストップを強いられ、順位を落とします。
後方からベッテルとハミルトンがどんどん順位を上げていくというレースになりました。ハミルトンは9位フィニッシュでチャンピオンを決めました。
スタートの混乱を抜けたフェルスタッペンは危なげなく首位を快走。
2017 ブラジルグランプリ
2017年のブラジルGPでは予選で波乱が。
なんとハミルトンがQ1でクラッシュ。最後尾スタートに。
予選のポールポジションはボッタスでしたが、スタートでベッテルがボッタスをオーバーテイク。
ベッテルとボッタスは終始接近戦を繰り広げましたが、ベッテルがしのぎきり優勝。
ハミルトンは後方から4位まで上がってきました。
2017年はフェラーリもかなり速く、メルセデスと良い勝負を続けました。
最終的にハミルトンが363ポイントでベッテルが317ポイント。
ベッテルは日本とシンガポールでリタイアしており、途中まではベッテルがチャンピオンシップをリードしていたため、ベッテルがチャンピオンになっていてもおかしくない年だったと言えます。
2018 オーストラリアグランプリ
このオーストラリアGPではハースがレッドブルと互角に戦うという活躍も見せました。しかし、タイヤの装着に問題があり、2台共にコース上で車を停めるという最悪の事態となりました。
バーチャルセーフティカーでベッテルがピットストップし、ハミルトンの前に出て1位を守りきりチェッカーフラッグ。
そしてルノーにエンジンを切り替えたマクラーレンのアロンソが5位フィニッシュ。
アロンソの「Now We can fight」の名言も飛び出しました。
しかし、なんといっても速かったハースの2台ストップは痛ましい瞬間でした。
2018 バーレーングランプリ
スタートでフェルスタッペンとハミルトンが接触したことで、ハミルトンは後ろから追い上げるレースになりました。
コースのあちらこちらでバトルが見られるという非常に面白いレースに。
ハミルトンがオコン・ヒュルケンベルグ・アロンソの3人を同時にオーバーテイクするという離れ業も。
このレースでは、メルセデスのボッタスはハードタイヤで、フェラーリのベッテルはソフトタイヤを履きました。そのため終盤でベッテルのタイヤが崖を迎え、ボッタスの猛攻を受けました。
なんとかベッテルは優勝しましたが、ライコネンはタイヤ装着ミスでリタイア。
レース後の無線で「タイヤ終わってた」とベッテルは言っていました。
そしてトロロッソのガスリーがマグヌッセンから順位を守り4位入賞。
2018 中国グランプリ
この時の中国グランプリはメルセデスVSフェラーリになるかと思われました。
しかし、トロロッソ同士のクラッシュでコースにデブリが散らばったことでセーフティカーが出動。
このセーフティカーの間にレッドブルがタイヤを交換します。
レッドブルはタイヤで圧倒的に有利となり、リカルドが次々にメルセデスとフェラーリをオーバーテイク。
リカルドが鮮烈な優勝を成し遂げました。
2018 アゼルバイジャングランプリ
アゼルバイジャンはやっぱり何かが起こる。
フェルスタッペンとリカルドの同士討ち。
レッドブル2台が終始バトルをしていましたが、中盤でリカルドが後ろからフェルスタッペンに追突。両者リタイア。
アゼルバイジャングランプリの予選ではベッテルがポールポジションでしたが、ベッテルはリスタートの際にブレーキングを遅らせてボッタスを追い抜こうとし、これが失敗。ハミルトンがその隙に前に。
そして終盤、残り3周でボッタスのタイヤがパンク。
終わってみれば、ハミルトンが1位、2位がライコネン、そして3位にペレスというレースでした。
この2018年は面白いレースが序盤から続出しました。
2018 オーストリアグランプリ
2018年のオーストラリアGPは、メルセデスが盤石かと思われました。
しかし、ボッタスにギアボックスのトラブル。
ハミルトンも燃圧が低下しリタイア。
フェルスタッペンがレースをリードしますが、ペースではフェラーリが上。
フェラーリが2台が後ろから徐々に追い詰めますがオーバーテイクには至らず。
フェルスタッペンが優勝しました。
対照的にリカルドはリタイア。明暗を分かれました。
2018 イギリスグランプリ
おそらく2018年最高のレース。
フェラーリとメルセデス、4台でのがっぷり四つのドッグファイト。
序盤でハミルトンが接触してスピンし、後方に沈むものの、中盤のセーフティカーによって順位を徐々に取り戻し、フェラーリとメルセデスの4台がトップ4に。
セーフティカー時にボッタスがステイアウトしたため、ボッタスはタイヤで不利になり、結局ハミルトンにも抜かれてしまいました。
終始緊張感のある白熱したレースで、4台のマシンが連なるショットが素晴らしかった。
もともとシルバーストーン自体がF1らしいコーナリングが見られるので見応えがありますが、フェラーリとメルセデス4台でのバトルは本当に見応えがありました。
ちなみに中段はヒュルケンベルグドライビングスクールと化し、かなりの接近戦が繰り広げられていました。
2018 メキシコグランプリ
レッドブルが非常に速かった2018年のメキシコ。
フェルスタッペンは一度トップに出てからは快走しましたが、フェラーリVSメルセデスVSリカルドで激しいバトルに。
メルセデスは1コーナーで突っ込んでブレーキングするとロックしてしまうという症状がでてフェラーリの後塵を拝します。
リカルドはリタイア。リカルドは2018年レッドブルでリタイアしまくりでした。
2018 アメリカグランプリ
ポールポジションはハミルトンでしたが、スタートでライコネンがオーバーテイク。
ライコネンがそのまま順位を守って優勝するという熾烈なレースでした。
フェルスタッペンは18番グリッドから2位表彰台というとんでもない追い上げを見せました。
終盤でハミルトンからプレッシャーを受け、オーバーテイクされかけますが、ぎりぎりで耐えてなんとか2位を守っていました。
ライコネンが優勝したこと自体が記念すべきレースですが、レッドブル・フェラーリ・メルセデスのバトルがここでも見られました。
2018 ブラジルグランプリ
フェルスタッペンのオーバーテイクショー。
レッドブルのレースペースが非常に良く、フェルスタッペンは5番手スタートから次々にオーバーテイクをしてトップに躍り出ます。
しかし、ここで伝説の事件発生。
周回遅れのオコンが1コーナーでフェルスタッペンに接触。フェルスタッペンはスピンし、順位を失います。
フェルスタッペンは2位でフィニッシュ。
レース後フェルスタッペンは怒り心頭。オコンを小突いたため、フェルスタッペンは社会奉仕活動をするペナルティを受けました。
2019 モナコグランプリ
2019年のモナコGPはハミルトンをフェルスタッペンがひたすら追い回すレースになりました。
ハミルトンがミディアムに対してフェルスタッペンはハード。
終盤、ハミルトンのタイヤが悲鳴を上げ、何度もフェルスタッペンに攻められます。
しかし、ここはモンテカルロ、絶対に抜けない・・・ということでハミルトンが優勝しました。
1992年のセナVSマンセルを彷彿とさせるような接近戦でした。
2019 オーストリアグランプリ
いわずと知れた、ホンダ復帰後初の優勝。
予選からレッドブルはある程度速かったですが、フェルスタッペンはスタートでミスし順位を大幅に落とします。
しかし、そこから徐々に順位を上げ、タイヤ交換を遅らせることで後半で有利に。
この日、メルセデスはエンジンに問題を抱えていたこともあり、前半戦圧倒的だった速さがなかった。
フェルスタッペンは現役最速と言われる圧巻の走りで、チームメイトをも周回遅れにし、ベッテル、ボッタス、ルクレールをコース上でかわして優勝。
母国オランダからかけつけた大観衆の前での優勝。オランダでフェルスタッペンブームが起こるわけです。
2019 イギリスグランプリ
2019年のイギリスGPはメルセデスが頭一つ抜けていました。
しかし、ボッタスVSハミルトンのフェアなバトルが序盤に見られました。
そしてなんといっても、ルクレール VS フェルスタッペン。
今後のF1を牽引するであろう2人のドライバーが相まみえ、凄まじいバトルを展開しました。
残念ながらフェルスタッペンはベッテルに追突されてしまいます。
このクラッシュがなければ、フェルスタッペンはボッタスと勝負できていた可能性があり、もっと面白いレースになっていたことでしょう。
2019 ドイツグランプリ
荒れに荒れまくったレース。
ウェットコンディションでしたが、途中からコースが若干乾きだします。
各車がタイヤ交換をしてスリックタイヤで走行したら今度はまともに走れず。
セクター3がスケートリンク状態。
ハミルトンがコースアウトしてフロントウィングを破損し、タイヤとウィングの交換に50秒かかってしまいました。
終盤、ギャンブルでドライを履いたストロールやクビアトが賭けに成功。上位を走行します。
雨が得意と定評のあるフェルスタッペンが堅実な走りをし、レッドブルチームが何度も高速なピットストップを成功。優れた戦略で勝利を手にしました。
また、ベッテルが後方から2位フィニッシュ。
クビアトが3位フィニッシュでトロロッソに久々の表彰台をもたらしました。
一方母国GPのメルセデスは最悪な展開。
ボッタスはスピンしてリタイア。
ハミルトンは体調不良も重なっていつもならしないようなミスも。
本当に混沌としたレースでした。
2019 ハンガリーグランプリ
フェルスタッペンが初めてポールポジションを獲得したのが2019年のハンガリーGP。
レースではフェルスタッペンが逃げ、ハミルトンが追うという展開。
レースペースではハミルトンに分があり、フェルスタッペンはハミルトンを引き離せず。
しかし、ハンガリーはオーバーテイクしづらいサーキットで、ハミルトンもフェルスタッペンをオーバーテイクできず。
そこでメルセデスは終盤にタイヤを交換するという賭けに出ます。
この賭けは、フェルスタッペンのタイヤが崖を迎えれば勝てる、崖がこなければ負けるというもの。
ハミルトンは20秒もの差を詰め、オーバーテイクに成功します。フェルスタッペンのタイヤは終わっていました。
ハミルトンとメルセデスに本気の本気を出させて、ギャンブルをさせたという点で面白いレースでした。
2019 イタリアグランプリ
フェラーリ久々の母国優勝。
このあたりからストレートスピードが異様に速いと言われていたフェラーリですが、モンツァのレイアウトでそれが完全に発揮。
予選では各車がスリップストリームを得ようとするあまり、最終アタックにほとんど入れないという珍事が起こります。
レースではベッテルが凡ミス。
ルクレールは1人でハミルトンの猛攻を耐えます。
本当に必死に首位を守ったという感じで、イタリアじゃなければペナルティ出ていてもおかしくない動きもありました・・・。シケインカットとか。
明らかにレースペースはメルセデスが上でしたが、フェラーリのストレートスピードを武器に防ぎきり、久々にティフォシの前でフェラーリが優勝しました。
このレースではルノーもかなり良く2台共に上位フィニッシュしたことも忘れてはいけません。
2019 ブラジル グランプリ
ブラジルグランプリはフェルスタッペンVSハミルトンとなりました。
フェルスタッペンは予選でポールポジションを獲得。
ブラジルではメルセデスはパワーユニットに問題をかかえていました。
2番グリッドにベッテル。
フェルスタッペンはピットストップでハミルトンに抜かれたものの、すぐさまオーバーテイク。
またその後のセーフティカーのリスタート時にもハミルトンをオーバーテイク。
このグランプリではホンダのターボが威力を発揮し、レッドブルのストレートスピードが速いと言われていました。
そしてシンガポールあたりから何度も話題に出ていたフェラーリの2人のチーム内バトル。これが最悪の形で起きてしまい、同士討ちで2台共にリタイア。
これで一時、フェルスタッペン・アルボン・ガスリーがトップ3を占めます。
最後のセーフティカーリスタートでハミルトンはガスリーをオーバーテイクしましたが、アルボンのインにねじ込んだ際にアルボンにかぶせられてしまい接触。
この隙にガスリーが2位浮上し、最終ラップでホームストレートのドラッグレースを制して、自身初の表彰台。
なかなかあんなドラッグレースは最近のF1では見られないですから、面白いレースだったのは間違いありません。
ハミルトンはペナルティを受け、カルロス・サインツも自身初の表彰台。マクラーレンも久々の表彰台を獲得しました。