Autosport.comのインタビューで、ホンダF1プロジェクト最高責任者の長谷川祐介氏が、2016年の序盤戦で使用したパワーユニットは、昨年の終盤戦で使用したパワーユニットとほぼ同じような馬力だと明らかにしました。
Autosportは、2016年のホンダのパワーユニットは昨年終盤のものよりも若干パワーが少ないとしています。
「3周で壊れるエンジンは作りたくない」と長谷川氏は語っており、信頼性とパワー、そしてマクラーレンのシャシーとのバランスが取れたのが今の状態だそうです。
一方で、パワーを大幅にセーブしていたわけではないようで、最大出力に近いものを絞り出していたとのこと。
それでもメルセデスPUやフェラーリPUからは最高速で離されています。
バーレーンGPのようなサーキットでは、こういったパワーの差がラップタイムにかなり響いてしまいます。
2016 F1バーレーンGP 予選ストレートスピードトラップ比較 - Better Gear
マクラーレンの車そのものは平均以上の速さを持っていますが、ホンダパワーユニットの馬力の無さや燃費の悪さによって今年もフォース・インディアやトロロッソといったチームに劣ってしまっているわけです。
さらに、バーレーンGPではバトンにトラブルが発生。
バトンは中国GPで2基目のICEを使用することになりました。
ホンダPUユーザーは2台しかいませんので、信頼性が本当にあるのか疑いたくなりますが、今後の数戦でそれはわかってくるのでしょう。
そんなICEは、ホンダが目標とするレベルからそう離れていない様子。
もちろん、回生エネルギーのデプロイメントは昨年のパワーユニットから進歩しているのは間違いありませんが、バーレーンGPの決勝を見ればわかるように十分とは言い難いです。
長谷川氏は、「最高速が必要」と答えており、シーズン通してパワーの向上を図っていきたいとしています。
ちなみにパワーユニットの開発トークンの残りは
メルセデス:13
フェラーリ:9
ルノー:25
ホンダ:14
となっています。
ルノーは大量にトークンを残しており、カナダGPで実質新型のパワーユニットを導入します。これがかなりの性能向上をもたらす可能性があり、マクラーレンがますますポイントから遠ざかる可能性があります。
ホンダがトークンを使ってパワーユニットをアップデートした際にどの程度の性能向上、燃費向上があるのか。マクラーレンの命運はそこにかかってくるでしょう。
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