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佐藤琢磨のインディ500優勝がどれだけの偉業かについて

世界三大レースにして世界最大のレースイベント「インディアナポリス500マイルレース」を佐藤琢磨選手が制しました。

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ヨーロッパのオープンホイールカーの頂点がF1ですが、インディカーはアメリカンモータースポーツの頂点です。

101回も行われているだけあって長い歴史があります。 

 

他のスポーツで言ったら、オリンピックで金メダルを取るとか、ウィンブルドン優勝とかそういうレベルです。

 

アメリカ合衆国副大統領のマイク・ペンスが、佐藤琢磨に祝福のツイートをしているくらいです。そのくらいインディ500というのはアメリカにとって大きなイベントだということです。

 

 

観客は1日だけで30万人集まります。

 

(人が多いイメージのあるコミックマーケットが1日で20万人程度です)

 

 

普通のレースイベントは週末3日~4日間だけですが、インディ500は1ヶ月の間ずっと何かしら行われています。(Month of Mayと呼ばれます。)
練習走行が1週間くらいあり、予選だけで2日使います。

また、選手たちが色んな催しにプロモーションで参加します。

佐藤琢磨選手はなんか空軍の体験みたいなことをやっていたようです。


 

インディカーがF1と違うのはオーバルサーキットがあるということ。

オーバルは基本的に楕円形でアクセルを緩めることがほぼありません。

インディ500では平均速度が350km/hを超えます。最高速は370km/h近くまで伸びます。

F1が走るような普通のサーキットでは平均200km/h~250km/h程度です。

 

▼コース脇から見た時速350km/hオーバーの走りはこんな感じ

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アクセルを緩めたらどんどん順位を落とします。

  

しかし、前の車の後方乱気流でダウンフォースを失うと、途端にコーナリングが難しくなります。タイヤの摩耗が進むとさらに運転しづらくなる。

ドライバーは微妙なステアリング修正でコーナリングしていきます。

コース幅はお世辞にも広いとは言えませんが、3台横並びのスリーワイドはよくあります。

 

 

普通のサーキットのようにエスケープゾーンがないため、ちょっとミスすればアウト側のウォールにヒットしてクラッシュです。

今回のインディ500でもスコット・ディクソンが大クラッシュしました。セバスチャン・ブルデーは予選で大クラッシュして病院で手術しました。

 

ディクソンとハワードのクラッシュ

 

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翌日はメディアツアーで引っ張りだこ

インディ500で勝つためだけにスポット参戦してくるドライバーもたくさんいます。

勝てば人生が変わります。

アメリカ全土のニュースでも取り上げられ、世界中のモータースポーツ誌で報じられます。

佐藤琢磨選手によると、取材が多すぎて予約していたレストランをキャンセルしたそうです。

 

優勝したらその翌日にはインタビューを受けたり、アメリカのテレビ番組に呼ばれたり、大忙しになります。

本当なら日本のメディアの取材を受けたいところなんでしょうけど、その暇がないくらい忙しくなります。

 

 

ニュース等でよく耳にするアメリカの証券取引所NASDAQ」ですが、その取引開始のベルをインディ500の勝者が鳴らすというイベントがあります。

 

 

インディ500が素晴らしいのは、誰が先頭にたっても観客が大歓声で迎えてくれるということです。

彼らはアメリカ人だろうが日本人だろうがブラジル人だろうが、素晴らしい走りをした選手を讃えてくれます。

そういう文化がインディ500には根付いています。

 

優勝賞金は250万ドル(約2億7千万円

 

当然これは選手の年俸とは別に貰えます。 

 

予選で1位になるだけで1000万円貰えます。

参加するだけで豪華な時計が貰えますし、先頭を走るだけで1周あたり数十万円も貰えます。

たぶんスポンサーからボーナスももらえるでしょう。

 

2位は「最速の敗者」(Fastest Loser)と呼ばれます。つまり、インディ500に関しては優勝しないと意味がない。2位以下は負けと同じなんです。(2位でも8000万円くらい賞金出ますが。)

 

インディ500は実力とチーム力と運があって勝てるレースです。

そのため、どんなに上手くても、どんなに車が速くても、ほんのちょっとの運要素で勝てなくなることもあります。

風向き、他の車のクラッシュ、ピットストップの速さ、路面温度など。

実力・チーム力・運が全部ないと勝てない・・・。

 

佐藤琢磨の走りとアンドレッティのチーム力は全てを手繰り寄せる事ができたということです。

 

勝者はシャンパンの代わりにミルクを飲むのも伝統。

 

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メッセージ映像


 

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