予選のトップ3にメルセデスがいないというこれまでにない結果に。
ポールポジションはセバスチャン・ベッテル。圧倒的な速さで2位以下に差をつけ、かつてレッドブル時代に見せた速さを髣髴とさせる走りをしました。
フェラーリとしては2012年ぶり以来となるポールポジション。
金曜日のフリー走行ではメルセデスは燃料重いんじゃないかとか色々予想されたわけですが、土曜のフリー走行でもレッドブルとフェラーリが上にきていたのでこれは予選は接戦になるだろうと思いましたが、なんとメルセデスがフェラーリやレッドブルに全く歯がたたないという結果に。
ベッテルとハミルトンの予選ラップタイム差がなんと約1.5秒
リカルド
クビアト
ハミルトン
QF#SingaporeGP La QF más interesante del año, sin duda. Y más difícil de entender también/Most interesting QF so far👍 pic.twitter.com/nN6iYtsZpM
— Pedro de la Rosa (@PedrodelaRosa1) September 19, 2015
メルセデスが3列目に沈むことに。
メルセデスはどうやらピレリが規定したタイヤ内圧だとこのサーキットと相性が悪いようです。
シンガポールはストレートが少なく低速コーナーが多いサーキットなのでパワーユニットの差も縮まります。
メルセデスはこの市街地サーキットではパワーユニットの優位があまり出ない、さらにはここではタイヤを上手いこと使いこなせない、そんなこともあってタイムが思ったように出ないみたいですね。グリップが出なかったと。
対照的にフェラーリやレッドブルにとってはタイヤの作動温度領域もピッタリ。
レッドブルは普段はルノーパワーユニットのせいで加速で力負けしていましたが、ここでは回頭性の良さを活かしてメルセデスを食うことができました。
リカルドとクビアト、両名ともかなり攻めた走りをしていました。
セクター2、セクター3の動きなんかは両チームとも本当に良かった。
それでもベッテルとリカルドのギャップの大きさは驚きました。ベッテルのここでの上手さが際立ったようです。
決勝ではフェラーリもレッドブルもロングランペースが良い。タイヤの持ちも良い。
一方でメルセデスはデグラデーションが大きい。メルセデスは最初はついていけるだろうけど、フェラーリとレッドブルよりも先にタイムが落ちてくるでしょう。
決勝はフェラーリ対レッドブルの優勝争いという今シーズン初めての展開になります。
スピードトラップだけ見ると、やはりメルセデス勢がここでも揃って上位に来てます。
しかしタイムではトロ・ロッソのフェルスタッペンが8番手だったりとパワーユニットの差というのはほとんど出てきません。
そう考えると、イエローフラッグでタイムが出せなかったとはいえ、マクラーレン・ホンダはここでもQ3に行けなかったというのはかなり痛い話です。
まず、マクラーレンのシャシー、メカニカルグリップやダウンフォースといったところでもあまり良い車ではないというのがわかります。
マクラーレンの車自体のポテンシャルは真ん中あたりでしょう。
そしてホンダのパワーユニットに馬力がないのはわかっているわけですが、エンジン(ICE)も実は大したことないのでは?という疑問が出てきます。
ドライバビリティもあまり良くないのでしょう。レッドブルが文句をつけるルノーの方が全然良い。
時間が長いこともあってシンガポールは燃費はわりと厳しいサーキットですのでレースも苦戦するでしょう。
マクラーレンはロングランペースがフェラーリよりも2秒ほど遅かった。オーバーテイクが難しいサーキットなので前の方で誰かがミスすればアロンソが1ポイントか2ポイントくらいは取れるかもしれないですね。
また、ウィリアムズやフォース・インディア、ロータスあたりにマクラーレンがタイヤの性能劣化の面で優位に立てればポイントもあるでしょう。
この後、日本GP以降のサーキットは中高速サーキットが多いのでマクラーレンは望み薄。ここでポイントが取れなければ残りはノーポイントレースが続く可能性が出てきます。それどころか予選Q1敗退もありえる。
明日の決勝はベッテルが逃げるのか、それともレッドブルがロングランペースで上回るのか。そしてメルセデスは・・・?
セーフティカー出動率100%のシンガポール。見どころの多い決勝になりそうです。