レッドブルとポルシェの交渉が難航していると報じられています。
ポルシェはレッドブルテクノロジーズの株式50%を取得したいと考えていますが、レッドブル側はポルシェの影響を懸念しているようです。
レッドブルはホンダというカードをちらつかせて交渉を有利に進めようとしていますが、実際の切り札は完全内製のパワーユニットです。
ホンダは2026年にレッドブルと組みたいと持ちかけたようですがレッドブル側は「アルファタウリと組んだらどうか？」と返答しています。
これに対し、ホンダは恥も外聞もなく、レッドブルでないとイヤだと言ったようです。
自分達でシャシーやギアボックスまで製造するほどのコミットメントはなく、自動車メーカーにも関わらず力のあるチームに半ば便乗するだけという、なんともお粗末な姿勢を見せています。
レッドブルにとってホンダはあくまで対ポルシェの交渉のカードに過ぎません。
ホンダと組む問題点はレッドブルパワートレインズの存在です。
レッドブルは既に300人以上のスタッフをレッドブルパワートレインズで雇っており、既に2026年エンジンの研究開発を進めています。
今後450人にまで増員する計画です。
ポルシェと組んだ場合、レッドブルパワートレインズとポルシェが「共同」でPUを開発することになります。
しかし、ホンダと組めば、PUの全コンポーネントをホンダが製造することになり、レッドブルパワートレインズへの投資が無駄になります。
レッドブルパワートレインズでPUを作ることができれば、フェラーリのように全てをレッドブルがコントロールできるということになります。メーカーとの余計な交渉も不要になり、全てが意のままです。
クリスチャン・ホーナーはホンダと組む可能性があるのかと問われ次のように答えました。
I think that for 2026, nothing is fixed. I mean, obviously, Red Bull Powertrains is established, we have more than 300 people recruited. So, that is our path.
At the moment we are very much focused on our own project.
つまり、ポルシェとの交渉が決裂した場合、レッドブルパワートレインズが自分達が取るべき選択だと言っています。
また、ホーナーは「このスポーツに興味を持っているメーカーがあるのは素晴らしいことだが、我々にはレッドブルパワートレインズがある」と答えました。
It's great that there's manufacturers that are interested in coming into the sport, or remaining in the sport, but Red Bull Powertrains, it's made the commitment, we have the facility, we have the dynos, we have the capability, we recruited some of the best talent in F1. And we believe we're in a very healthy place for the future.
イギリスのAutosport.comはレッドブルとホンダが再度提携する可能性について「unlikely（ありそうもない)」としています。
ホンダは他社に技術が流出するのを良しとしない企業体質があり、日本での開発にこだわります。
それ以前に、レッドブルパワートレインズがもはや自分達でPUを作るという道に進み始めているため、「優秀な人材を300人雇って研究もしてるけどやっぱりやめました」でホンダと組むというのは馬鹿げています。
そしてなんといっても、いつ辞めると言い出すかわからない恐れのあるメーカーと組むより、絶対的なコミットメントがあるレッドブルパワートレインズで製造した方が安定するでしょう。これまで散々エンジンサプライヤー探しで辛酸を嘗めているレッドブルですから、そういったものから解放される状況を願っているはずです。
まずはポルシェとの交渉がどうなるのかです。ポルシェに他の選択肢は無く、レッドブルと提携できなければ参戦を諦めることになります。
逆にレッドブルがわざわざホンダを選ぶ理由があるとすれば、よほどレッドブルパワートレインズに見通しが立たなくなるとか、資金難に陥るという状況くらいでしょう。
フェルスタッペンもNSXより911でサーキットに乗り入れたいでしょうからね😂
レッドブルパワートレイズで作ることになったらRB17で？
