FIAが2022年シーズンのF1マシンで発生するポーポシングやバウンシングを軽減するための技術指令書を発行しました。
FIAによるポーポシング対策措置については一部のチームが反対していましたが、FIAは医師との協議の結果、介入することを決めた模様。
発行の理由について「FIAはドライバーの健康を害する身体的影響について懸念している」「多くのドライバーが腰の痛みを報告している」としています。
技術指令によると、「スキッドとプランクの摩耗状況と設計の両方の観点から綿密な調査を行う」「垂直方向の振動を一定以下にしなければならない」とする新たな規則を加えることになりそうです。
FIAはリアルタイムで垂直荷重を測定・監視し、許容値以下であることを確認します。
許容値を満たせない場合はリアの車高を10mm上げる措置が取られる模様。
許容値はFP3までに決定されます。
バウンシングに関しては車高を上げてサスペンションを柔らかくすれば・・・というものの、それだとグラウンドエフェクトに影響するためどのチームもやりたがりません。
現時点では具体的な数値に関しては分析が進められているようです。
今年の車で車高を10mm上げると、1分30秒サーキットなら1秒遅くなると言われています。したがって、技術指令は各チームのパフォーマンスにも大きな影響を与える可能性があります。
つまり、乗り心地が良くなる代わりに、コーナリングスピードが犠牲になります。
しかし、この技術指令は根本的な解決にはなりません。ポーポシングが少ないと言われるマクラーレンのドライバーでさえ、バクーではバウンシングを問題視しました。
今のF1で禁止されている技術を復活させでもしない限り、全車が根本的な解決に至るまでには相当な時間がかかるでしょう。