2017年のF1もいよいよ後半戦に突入です。
アロンソの今後や来季のエンジンが決まる9月ですが、マクラーレン・ホンダチームの後半戦は単なる"消化試合"と化す可能性が非常に高いです。
なぜ消化試合という話ですが、まずホンダのパワーユニットと他3メーカーのパワー差があまりにも大きいということです。
ホンダは序盤に比べればスペック3エンジンで信頼性をなんとか確保したものの、馬力の差や回生エネルギーのデプロイは圧倒的に劣っています。
この差がメルセデスとルノーの間の差程度であればまだ希望はあるものの、ぶっちぎりでパワーとデプロイがないというのが問題です。
というのも、シーズン後半にはスパ、モンツァ、鈴鹿、メキシコというようなパワーサーキットが多数控えており、さらにシンガポールのようなデプロイに厳しいサーキットもあります。
つまり、ホンダがスペック3の時点で少なくともルノーに並ぶことができてないということは、後半戦はほぼパワーユニットに足を引っ張られる厳しいレースしかないということになります。
ハンガリーはパワーの寄与度が小さいのでマクラーレンはポイントを獲得できましたが、逆にモンツァや鈴鹿はパワーの寄与度が極大なのでQ1敗退も普通にありえます。
ストレートスピードを見る感じでは最大馬力でメルセデスの最新スペックから70~80馬力は劣っているような印象で、これだとパワーユニットだけで1周あたり1秒近く遅れるサーキットも出てくることでしょう。
また、ホンダは「エンジンのどこを改良すればいいのかわからない」と発言しており、パワーユニットの開発の指針がきっちり定まっておらず、まともな改良はできないことが容易に予想されます。スペック4も大した前進にはならないと思われます。
したがって、マクラーレン・ホンダの後半戦は「とりあえず走る。運が良ければポイント」というような消化試合になります。
アロンソは、9月までに競争力がなかったらマクラーレンを去ると発言しており、来季のインディカーへの参戦も噂されています。
アロンソはF1を優先するとも発言していますが、3強にはもうシートが残っていません。
パワーユニットを除くマクラーレンの車の速さも、ルノーと似たり寄ったりなところがあり、第2グループから抜け出せるような強さはありません。
あまりにも簡単にマクラーレンは後半戦で苦戦すると予言できてしまう状況です。
ホンダはザウバーやトロロッソとの交渉にも失敗しており、このことからもホンダのパワーユニットの悲惨な状況が窺えます。
ホンダとしては、今のレイアウトのパワーユニットを来年も採用するでしょうから、来年に向けた"開発"の場が後半戦です。
マクラーレンにしたら困った話ではあるものの、ホンダからの資金提供は無視できない要素です。