さて、2015年のFormula 1チャンピオンシップも終わりました。
終わってみればドライバーズランキングのトップ10がチームごとに綺麗にわかれました。
2015年のドライバーズチャンピオンシップ最終結果
これはどういうことかというと、今のレギュレーションには燃料流量制限があり、給油がなく、タイヤのストラテジーがどのチームも同じような感じで、ドライバーの実力差があったとしても車の性能差を埋められないということですね。
レースペースがだいたいチームごとに決まっているので、数年前のようにタイヤを上手くセーブして逆転を狙うというのも難しいんですよね。
今年頑張ったチーム トップ3
次点:メルセデス
まずフェラーリはパワーユニットの改良に成功して、メルセデスまではいかないものの、作年からは格段の進歩を遂げたのが大きいです。
アロンソが抜けてベッテルが入り、そして代表にはアリバベーネ氏が就任。チームの雰囲気も変わりましたかね。
3勝をもぎとり、コンストラクターズランキング2位獲得。
フェラーリのマシンがメルセデスのマシンを1台食うというようなレースもありました。「Ferrari is Back」マレーシアでのあの言葉は本当でした。
ハンガリーのスタートは忘れられませんね。
まだメルセデスの背中はちょっと遠い。でも見えている。
そしてフォース・インディアは、シーズン序盤は新しいシャシーが間に合わなくて不調でしたが、中盤にBスペックカーを導入し、一気にジャンプアップ。
ポイント争いの常連になり、時にはフェラーリやウィリアムズすら脅かす存在にまでなりました。来年はアストンマーチンのロゴがつくんでしょうか?
セルジオ・ペレスの成長ぶりも見られました。ヒュルケンベルグより20ポイント上回ってドライバーズランキング9位。
そしてシーズン序盤から関係者も視聴者も驚かせたトロ・ロッソ。
トロ・ロッソ史上最高と言われるマシンが完成。
レッドブルと勝負をするシーンが見られるというような、トロ・ロッソが参戦をしたばかりの頃からは考えられないような速さになりました。
そしてフェルスタッペンとサインツという2人のルーキーの走りも見事でした。
ルノーのパワーユニットさえもうちょっとよければもっと凄いことになっていたでしょうね。
そして頑張ったトップ3ではないものの、メルセデスは昨年に続いて圧倒的な速さでした。 昨年あったようなトラブルがほとんどなくなり、凄まじい信頼性でシンガポール以外の18戦でポールポジション獲得。19戦中16勝。
また、シーズン終盤のパワーユニットアップデートで、さらに他との差をつけたようにも思えました。予選の速さでは他のチームには太刀打ちできない。
基本的にどこでも速い。シンガポールだけはタイヤ内圧の関係で上手く行きませんでしたが。
しかし2014年のバーレーンGPのような激しいバトルが見られなくなったのは残念です。2人のドライバーの管理を徹底して、揉めないようにチームも配慮しての結果なんですけど。
頑張ったドライバー トップ3
フェルスタッペン
次点、ペレス
まずベッテルですが、チームを変えた判断の良さと、昨年のレッドブルでの不調を払拭するような強さと安定感を見せました。
ライコネンがちょっと不運であまりよくありませんでしたが、それでもライコネンを予選で上回ることがほとんどで、時にロズベルグを上回ることもありました。
今シーズン、メルセデス以外の3勝は全てこの人。時々精細を欠くこともありますが、フェラーリに希望を与える走りをしていたように思えます。
モンツァでのセバスチャンコール。来年はそれを表彰台の中央で聞けるといいですね。
そして新人のマックス・フェルスタッペン。ヨス・フェルスタッペンの息子。17歳?18歳?チームメイトのサインツJrも良かったんですが、それでもこの若さでアグレッシブな走りをして結果を出す。
トロ・ロッソのパドックは父兄参観なんじゃないかというくらい、毎回のように2人の親父が来てました。しかも2人とも元レーサー。
雨のフリー走行では上位のタイムを出したりして、速さを見せてくれましたし、レースでも最高4位に入ったりと上出来でした。
経験さえ積めば速いマシンに乗った時にワールドチャンピオンを取ってもおかしくない人です。実際、シーズン終盤は入賞を重ねていましたし。
デビュー時にこれだけ衝撃を与えたのは、現役ドライバーではハミルトンやベッテルくらいでしょうか。
アロンソもトップ3に入れました。
遅いだけでなく最後まで完走できない信頼性の低すぎるマシン。
ポイントを取れたのはわずかに2戦。青い車でチャンピオンを取ったあの栄光から10年ですか。
ベテランの、しかもチャンピオン経験者がこんなマシンをドライブしなければならない。どんなにコーナーで頑張ってもストレートで軽々と抜かれる。
トラブル続きでまともに走れないフリー走行。
フェラーリを抜けたことを後悔しているのでしょうか。
このシーズンに耐えたという意味でのトップ3入。
次点のペレスは表彰台獲得したり、入賞たくさんしたり、昔のような危なっかしさがほとんどなくなって、他のチームに脅威を与えられるドライバーになったような印象です。結果を残す人、そしてメキシコでのF1人気を支えている人になった。
ベストレース トップ3
ハンガリーGP
アメリカGP
次点:モナコGP
ハンガリーは色々なことが起こりすぎたレースでした。何度接触するんだよ(笑)といいたくなる。
1周目からなんかカオスでした。
そういえば昨年も結構波乱だったんですよね。魔物がいるのか?
イギリスはレース途中で雨が降って、でもハミルトンが冷静に対処して優勝したレースでしたが、スタートでウィリアムズ2台がメルセデスをオーバーテイクして、結構長いことトップを走ってたんですよね。メルセデスはウィリアムズをオーバーテイクするの難しいんだなと思いました。でも雨になったらウィリアムズは一気に遅くなっちゃいましたけどね。
アメリカGPはハリケーンが来ていて、その影響で大雨が降ってフリー走行もまともにできないわ、予選は日曜に延期するわ、決勝も複雑なコンディションになるわで2015年で一番酷い天候のウィークエンドでした。
特に土曜の予選は大雨というか嵐の中、勇敢なお客さんが見に来ていて、でもセッション開始が延長に延長を重ねて結局始まらず。
大雨の中、お客さんを楽しませるためにチームやドライバーが小ネタを披露しまくって、演芸大会と化していました。フォース・インディアのメカニックのブレイクダンスとか、クビアトとリカルドのダンスとか、ザウバーのボブスレーとか、ロズベルグのサッカーとか。
日曜朝の予選も雨でQ2までしか出来ず。
レースでは雨はやんでいましたが路面は濡れていて、そんな中で最初はレッドブルがメルセデスより速くて前に出ましたけど、乾いてきたらメルセデスが圧倒して・・・・
ロズベルグが1位を走ってたのにオーバーランしてハミルトンに1位を奪われ、ハミルトンがワールドチャンピオンを決定。
色々ありすぎて全部思い出せない。
次点のモナコGPはハミルトンにとって悪夢のようなGPでした。終盤、セーフティカーのタイミングでハミルトンがピットストップ。しかしこの間にロズベルグとベッテルがハミルトンの前に。タイヤは新しいけど抜けないモナコ。無意味なピットストップでハミルトンが優勝を逃しました。
2015年シーズンを振り返って
フェラーリがパワーユニットの改良に成功して昨年から格段に進歩したのに対し、ルノーはむしろ改良失敗気味で信頼性は相変わらずだし、回生も微妙な状況で、レッドブルがルノーをこき下ろして今シーズン限りで契約破棄しましたが、結局来年もルノーパワーユニットを使わざるをえないようですねレッドブルは。
それと、2014年の酷いノーズがとりあえず禁止されました。小さい突起をつけてるチームもありますけどメルセデスもフェラーリも突起のない形状で速いですから。
今シーズンはルイス・ハミルトンとメルセデスの速さが昨年以上に光った年でした。
フェラーリがメルセデスとの差を縮めてきたけど、それでも歯がたたないレースも多かった。
ハミルトンは残り3戦残してチャンピオンを決めました。ロズベルグは不運もありましたけど、ハミルトンにレースをコントロールされてしまっていたことも多かったです。ロズベルグが近づいてきたらタイムを上げて引き離す。
ルイス・ハミルトンは今年10勝。ロズベルグは6勝。4勝の差は大きいです。
2015年はホンダのF1への復帰、エンジンサプライヤーとしてですが、それも大きなニュースでした。
しかし、2014年シーズン後のテストでパワーユニットがまともに動かないというところから悪夢が始まり、プレシーズンテストでもまともに周回を重ねられない。
開幕戦はマグヌッセンはレース前にリタイアしたものの、バトンはなんとか完走。でも圧倒的に遅いペース。
その後信頼性の向上に努めましたが、必ず何かのトラブルが起きる。
カナダGPでもうパワーユニットコンポーネントの制限数をオーバーしてペナルティ?
ホンダは他の3社よりも研究開発期間が短いというハンデがありますが、それでも2015年シーズン通してずっとトラブルがどこかで出るという、昨年のルノー以上に酷い姿を晒しました。
もちろんパワーユニットのコンセプトにはマクラーレンも関わっているので、マクラーレン・ホンダのパワーユニット&シャシーと言うべきなのかもしれませんけど、ストレートでメルセデスから20km/hも差をつけられるような馬力のなさ。
1年間全てテスト走行と言ってもいいほどでしたが、最後の方でもトラブルが出たりと来シーズンが不安になるような印象でした。
日本GPの時に、佐藤琢磨選手がマクラーレン・ホンダの速さに関して「再来年」という言葉を口にしていたので、やはり来年はまだ厳しいかもしれませんね。
レギュレーションによる開発凍結がなければホンダもあらゆる手段を講じてパワーユニットを改良したんでしょうけれど。
もちろんホンダは3年とかもっとそれ以上長い目で見ているはずですが、マクラーレンともあろうチームがポイント争いすらできないって・・・。
来年はポイント争いできるといいですね。
来年ルノーのパワーユニットも良くなって、ホンダだけパワーユニットが非力だったらどうするんでしょうね。
先述の通り、今年は良いルーキーに恵まれた年でした。フェルスタッペン、サインツJr、ナッセ。
ナッセも開幕戦5位は凄かった。
マノーの2人はよくわからない・・・。
2014年がメルセデスイヤーだったとしたら、今年はハミルトンイヤーだったのかなと思います。
そして忘れてはいけませんが、今年7月にはジュール・ビアンキが亡くなりました。
昨年の鈴鹿での事故。速いドライバーだっただけに只々残念としか言いようがなかったです。
2016年。
ハースの参戦、アゼルバイジャン、グティエレス復帰、ルノー、ジョリオン・パーマー、マノーメルセデス。