※これは2015年に書かれた記事です。
マクラーレン・ホンダが遅い理由
マクラーレンのマシンそのものは、レッドブルやフェラーリには及びませんが、トロロッソやウィリアムズと勝負できるようなポテンシャルはあります。
当然ながら、ルノーやザウバー、マノーといった下位チームよりはマシな車を作っています。
しかし、ホンダのパワーユニットがかなり足を引っ張っているのは間違いありません。
その証拠に、マクラーレンのマシンは中低速の区間ではそれなりの速さを見せます。その一方で高速区間やストレートになると全体でも下の方に沈みます。
マクラーレンやホンダは時々「このサーキットは自分たちの車に合っていない」などという馬鹿な発言をしていますが、単なる言い訳です。
そういう言い訳ができるのはレッドブルのようにパワーユニットの不利をシャシーでカバーできているチームだけです。それでもホンダのPUはルノー以下ですが・・・。
ホンダのパワーユニットに足りないのは馬力・燃費・回生エネルギー
馬力ではメルセデスやフェラーリから大きく遅れを取っているため加速が悪い。
最高速だとトップチームから5~10キロ遅い。
燃費も他のパワーユニットより悪いのでレースで燃費走行を強いられる。
ロシアGPで1周だけアロンソが燃費走行をしないで走ったら、ウィリアムズと大差ないタイムが出ました。
予選では互角でも、レースになるとマクラーレンがトロロッソやフォース・インディアといった中段チームにも全く歯が立たなくなるのは、ホンダPUの燃費が悪いのと回生エネルギー不足のためです。
燃焼系のシステムでメルセデスやフェラーリが採用しているものをまだホンダは取り入れていなかったりと、技術的にも遅れています。
「サイズゼロ」の失敗
ホンダはサイズゼロというコンセプトで小さなパワーユニットを作りました。
そのせいでコンプレッサーが小さすぎてパワーが十分に出せないことがわかりました。
ホンダはコンプレッサーをエンジンのVバンクの中にすっぽりと納めていますが、これだと大きさが制限されるので効率が悪い。
これがMGU-Hでの回生にも悪影響を与えていそうです。
今のF1ルール上、そう簡単にレイアウトを変更することはできませんし、信頼性の問題やシャシーの設計もありますので、2016年は我慢するしかありません。
おそらく2017年にはこの設計を見直すのでは?
ホンダは何をすれば他のチームに追いつけるのかはわかってるんでしょうけど、F1のレギュレーションの範囲内でやらなければならないので劇的に改善するのが難しいのでしょう。これはルノーにも言えます。
ホンダパワーユニットが本当にまともになるのは2017年以降になるでしょう。
2016年はパワーのハンデを抱えつつ、コーナリングでなんとか中段チームと勝負をする。他の車がリタイアするなど、運が良ければポイントを獲得する。
マクラーレンの2016年はそんな感じになるのではないでしょうか。
F1のパワーユニットの仕組みついては下のウェブサイトで解説されています。
パワー重視のサーキットが多い2016年。
パワーがあまり影響しないサーキットがマクラーレンにとってのチャンスですが、それは同時にレッドブルやトロロッソにとってもチャンスとなります。
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