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Better Gear

F1、WEC、インディ、などモータースポーツの話

「刀剣乱舞」が「艦これ」そっくりでヒットしたことの意義


刀剣をイケメン男子に擬人化「刀剣乱舞」がオタク女の心をつかむ4つの理由 - ネタりか

 

2013年に艦隊これくしょんがヒットしてから、DMMは様々な開発会社と協力して色々なブラウザゲームをリリースしています。

その中の「刀剣乱舞」というゲームも艦隊これくしょんに続くヒットとなっているようです。

 

この刀剣乱舞はニトロプラス芝村裕吏といった著名な企業やクリエイターが開発に参加しているわけですが、「艦これにそっくり」という意見も多いゲームです。ユーザーインターフェイスなどを見ても限りなく近い。

 

パクリ云々の話は置いといて、ここで重要なのは、艦これそっくりのシステムで違う層のプレイヤーを獲得できたということです。

私は艦隊これくしょんというゲームは1週間と耐えられなかった。最初にプレイしたのは2013年の夏頃だったと思いますが、長く続かなかった。

課金要素が良心的という評価で、確かにこれはそうだったのですが、PCのオンラインゲームを昔からプレイしてる自分からしたら、昨今のソーシャルゲームの課金システムが異常なだけで、艦隊これくしょんの課金システムは"普通"です。

1週間程度しか続かなかった理由は運要素が強いのとレベルデザインの悪さに耐えられなかったことでしたが、そのシステムを刀剣乱舞は採用し、そしてヒットにこぎつけた。しかも艦隊これくしょんは別の層のユーザーも取り込めた。

 

この2つのゲームがヒットしたことに、改めて日本のゲーム市場の特殊性と可能性を感じることになりました。

艦これや刀剣乱舞は、日本特有の人気ジャンルである「ビジュアルノベル」を、非常にシンプルなシステムのゲームと足したような印象があります。実際は全然違うけどそのあたりの位置づけができそうです。

この2つのタイトルでは、実はゲーム性の部分はほとんど重要ではないような気がしてなりません。

テーマにした題材、それをアニメ・漫画チックな擬人化キャラにしたこと、歴史と絡めたことなど、一般的なゲームにおいてゲームプレイの中核とされる部分ではなく、その周りを固めている要素によってユーザーを魅了しているのです。

「ストーリーが良い」と評価されるゲームはありますが、ストーリーが良いだけではヒットしません。ゲームプレイの部分にも平均以上の魅了があるからヒットするのが一般的なゲームのあり方ですし、現在でもそれは変わっていません。

しかし、ビジュアルノベルだけは例外です。

 

艦これや刀剣乱舞といったブラウザゲームでは、努力やプレイヤーの腕、戦略によって何かを達成したり乗り越えたというゲーム的な喜びや戦闘の爽快感ではなく、ビジュアルノベルや小説、映画、アニメ、漫画を見たり読んだりした時の満足感により近いものがプレイヤーを楽しませているのは明らかです。

 

以前に書いた記事です。


国内のゲーム市場は「オタク」と「カジュアル」が大半か? - Better Gear

 

DMMは日本の「オタク市場」と「ゲーム市場」の関係性をかなり理解し始めたような気がします。艦これの段階で既にある程度分析していたんだとは思いますが、ゲームシステムはわかりやすくて難しくなければないほど良い、その代わり登場キャラクターや舞台、時代、環境などの設定には思い切り力を入れる。

 

パズドラやモンスト、アングリーバード、クラッシュ・オブ・クランなどのモバイルゲームと、「艦これ」「刀剣乱舞」といったDMMのブラウザゲームは全くアプローチの仕方が違います。

前者は手軽でわかりやすく、それでいてゲーム本来の達成感を得られる、ゲームプレイ重視のゲームがスマートフォンというプラットフォームで展開している一方で、後者はキャラクターやそのイラスト、各種設定をゲームプレイが邪魔しないように作られているという大きな違いがあります。

 

艦これや刀剣乱舞は、ゲーマーではなく「オタク」の人に向けたゲームなのは明確です。ゲーム性を小さくすることによって、ゲームが得意でない人にとってのハードルを下げ、ゲームプレイではなくゲームの中の「要素」をメインに楽しめるように作られ、その結果ヒットにつながった。

 

個人的にはこの手のゲームが増えてもらっても困るんですが、日本のゲーム業界が今後、Free-to-Playのゲームでこういったアプローチをしてくるのかは興味深いところです。