2016年の日本GPも幕を閉じました。
ホンダにとって母国GPだったわけですが、アロンソが16位、バトン18位と、 昨年よりも悪い散々な結果でした。
「ここ最近はフォース・インディアと互角に勝負できてたのにどうした?」と思った人も多いのではないでしょうか。
16年鈴鹿でマクラーレン・ホンダが遅かった理由
- マクラーレンが鈴鹿に持ち込んだセットアップが外れた
- 鈴鹿はエンジンパワーがタイムに直結するサーキット
- 他のメーカーに比べてホンダのパワーユニットは馬力やデプロイで大きく劣っている
- フリー走行で適切なセットアップを見つけられなかった
- 下位チームをオーバーテイクできずタイムを失った
上記のような理由により、コーナーの立ち上がりでスロットルを開けた時にふらつき、踏み込めず、加速が悪く、その上エンジンパワーもないのでますます遅くなる。
そしてセットアップが決まっておらずコーナリングスピードも出ない、全てがうまくいかなかったのが2016年の鈴鹿だったと言えるでしょう。
逆に、セットアップがうまく決まったため、パワーもそれなりにあるフェラーリPUを積んだハースチームが予選で上位に来たというわけです。
これまではストレートでの遅さをコーナーでなんとか挽回できていたマクラーレン・ホンダですが、シルバーストーンや鈴鹿というのはパワーもダウンフォースも必要で、どちらか片方だけ良くてもタイムは出ません。
とにかくパワーが必要というようなイタリアやバクー、カナダといったサーキットでは今シーズンも当然ながら良い成績を残せていません。
鈴鹿ではなんと、メルセデスが130R手前で315km/h出ているのに対して、マクラーレン・ホンダはわずか304km/h。最遅。ルノーですら310km/h出ている。いかにパワーユニットがハンディキャップになっているのかがわかります。
そこに加えてセットアップがうまくいかなかったわけですからザウバーにすら負けますね。
ホームストレートや西ストレートや200Rで当然パワーがないのでタイムロス、さらにセットアップがうまくいかなかったこともありS字やデグナー、ヘアピンあたりでもあまり良いタイムがでない。
車の動きを見れば一目瞭然で、マクラーレンはヘアピンやスプーンの立ち上がりで物凄く慎重にスロットルを開けていたのがわかります。
また、S字での動きもキレがなくて慎重にならざるをえないという感じが伝わってきます。
また、鈴鹿サーキットはエネルギー回生にも厳しいサーキットです。2015年はデプロイが途中で切れてました。
序盤のレースペースは上位チームが38秒台前半、中段勢が39秒台前半、マクラーレンは?なんと40秒台。
レースの大きな敗因は「下位チームを抜けずタイムを失ったこと」
今年の日本GPでマクラーレンは全体的に苦しんでいましたが、レースにおいて一番の痛手になったのはトラフィックです。
ザウバーやマノーに引っかかり、ずるずるとタイムを失っていったわけです。
ベッテルも言っていましたが、鈴鹿はオーバーテイクが難しく、他の車の後ろにいるとダウンフォースを失ってタイムが落ちる上に、タイヤまで痛めてしまうのです。
マクラーレンのマシンはストレートが遅いですから、オーバーテイクしたくてもなかなかできない。ただでさえオーバーテイクが難しい鈴鹿です。今回は立ち上がりにマシンがふらつくトラクションの悪さもありました。
下位チームをオーバーテイクできない→タイムを失う→タイヤを痛める
つまり最悪のレース運びとなってしまったわけです。
散々な結果になった理由はここにあります。
鈴鹿はパワーもダウンフォースも両方良くないとタイムが出ない、それだけ車とエンジンの性能やバランスが問われるサーキットです。
鈴鹿という素晴らしいサーキットが、アップデートだけでは解決しきれない車の純粋な限界やマクラーレン・ホンダの欠点を露わにしたと言えるでしょう。